ホリスティック豆知識Blog

2020年12月04日(金)

豆知識

愛犬のためのホリスティックグルーミングレッスン 【10】季節ごとのケア

石井あゆみさん

【根拠あるやさしいグルーミング】をテーマに、犬の身体の構造や動きを研究し、グルーミングを行うトリマーの石井あゆみさん(トリミングサロン「leaf dog(リーフドッグ)」経営)に、飼い主さんに知っていただきたいグルーミングの基本についてシリーズでレクチャーしていただきます。


定期的なグルーミングは人と暮らす今の犬たちにとっては、必要不可欠なこと。
でも方法を間違えると、とても負担のかかることになります。
そして、その原因となっているのが、飼い主さんの日頃の間違った方法だったということも珍しくありません。

 

意外と知らなかったことや、間違って行っていたことなど、新たな気づきが満載です。
犬の身体の構造、特性を知り、そのうえで、犬が一生必要とする身体のケアを犬にも飼い主さんにも負担をかけないやさしい時間にするために、ぜひお読みください。

今回は季節に注目して、グルーミングについてお話いただきます。

 

季節ごとのケア

季節によって温度や湿度などが大きく違う場合、パートナー(愛犬愛猫)のケアもそれに合わせて変える必要があります。今回のLessonでは、季節によって注意すべきポイントをご紹介します。


■春・秋:『換毛期対策』
■夏:『汗と紫外線対策』
■冬:『乾燥対策』

 

春・秋:『換毛期対策』

換毛期のある犬の場合、春と秋は抜け毛の時期です。それに合わせたケアが必要です。

※長毛種は一次毛と二次毛の太さの差がわかりにくく、基本的に成長期(詳細は後述)の期間が長く、季節によって抜け落ちるサイクルはありません。


■被毛の種類と毛周期

被毛には一次毛(上毛・オーバーコート・保護毛等と言う)と、二次毛(下毛・アンダーコート・緬毛等と言う)の2つの被毛が生えています。
一次毛は太くて硬い毛をしています。二次毛は細くて柔らかい毛をしています。
また、毛には一定の周期で成長し抜け落ちるという毛周期という成長段階があります。「成長期→退行期→休止期」の3段階があり、休止期になった被毛は抜け落ちます。この毛周期は気温・日照時間・栄養状態・ホルモンバランスなどの様々な影響により変化します。

換毛期は気温の変化を感じ取り、二次毛が休止期に入り抜け落ちるというものです。犬によって、一気にどさっと抜ける犬もいれば、ゆっくり抜けていく犬もいます。

 

■ブラッシング

柴犬などの短毛で密集している被毛をもった犬の場合、下毛の塊がボソッと浮いていることがあります。そのような時は指でつまんで取り除きましょう。

ブラシを使う場合は、力を入れすぎると皮膚を傷めてしまう事があります。ブラシの種類を適切に選び、皮膚にブラシを当てず、力の入れ具合には十分注意して行いましょう。

 

おすすめのブラシ

柴犬、シェットランド・シープドッグ、グレート・ピレニーズ、バーニーズ・マウンテンなど、被毛の量が多くて密集している場合には、粗目の金ぐしか、ピンブラシ。

短毛のスムースヘアの犬や、ダックス、チワワ、ゴールデン・レトリバーなどの犬は玉付きのスリッカーや目の細かい金ぐし、密集している獣毛ブラシなどがおすすめです。

金ぐし、ピンブラシの場合は、皮膚に当てると皮膚を傷つけますので、特に注意します。

獣毛ブラシを選ぶ場合は、比較的硬めの毛の猪毛のブラシで、ブラシの毛の密度も粗目のものを選択します。獣毛ブラシは皮膚を傷つけませんので、安心して使用できますが、抜け毛取りだけの目的で使用するには少し物足りないかもしれません。金ぐしと、獣毛ブラシを使い分けながら行うと良いでしょう。

 

ブラシをかけてもかけても抜け続ける、という経験をされた方は多いのではないでしょうか。

抜け毛が収まらない、どこまで抜いてよいかわからない、ブラッシングが上手く出来ているかわからない、皮膚を傷めそうでどのようにしてあげたらよいかわからない、などの場合はプロにお任せするのが良いかと思います。

お店によっては、ナイフやディシェーダーなどの道具で、皮膚を傷めずに被毛を抜く下毛処理のメニューがあるお店もありますので、利用しているサロンに確認してみてください。(下毛処理の事をレイキングという場合もあります)

定期的にシャンプーに通っていても、換毛期の時はブラシや下毛処理だけのメニューでお手入れをしてもらうのも良いですね。

 

 

■肌のお手入れと紫外線対策

被毛が抜けた後は、道具による摩擦で肌がデリケートになりがちです。保湿ケアをしっかりと心掛けましょう。

セラミドやヒアルロン酸などが入った保湿剤がおすすめです。保湿剤とは、人間でいう化粧水のようなものです。犬用では、スプレータイプ、泡タイプ、水に薄めて全身にかけるかけ流しタイプ、入浴させるタイプなど様々な製品が出ています。

日ごろのブラッシングの際には、スプレーや泡タイプが使用しやすいですね。シャンプーのついでに保湿をする時は、かけ流しや入浴タイプがしっかりとくまなく保湿できるのでおすすめです。

また、被毛が抜け落ちた後は、毛の密度が減りますので、肌が紫外線にさらされやすくなります。洋服を着せるなど、紫外線をカバーすることも忘れないようにしましょう。

 

■短く刈ってしまう場合

換毛期対策として、被毛を短く刈ってしまうという手段もあります。ただし、抜毛は無くなったのではなく毛が短くなっただけなので、短くしたとしても抜け毛処理は行ってあげると良いと思います。

また、換毛期の時に短くカットした後は、二次毛が休止期に入っていて伸びてくる被毛が少なかったり、遅かったりします。そのため、一次毛の毛が先に伸びますので手触りが硬くなったように感じてしまいます。短くした被毛が伸びてきた時に毛質が変わったように感じてしまう場合もあります。二次毛が伸びて生えそろえば、手触り感も元に戻るので、そのような事も踏まえて短くするという判断をしましょう。

 

 

夏:『汗と紫外線対策』

■汗を洗い流すシャンプー

犬は汗をかかないと言われてきましたが、肉球にはエクリン汗腺、体表にはアポクリン汗腺という汗腺があります。人間のように汗をかいて体表を冷やすといった効果はありませんが、犬も夏の暑い時期は普段より汗をかきやすくなります。

汗をかくことで、皮膚の上の常在菌のバランスを崩してしまい、肌荒れになる場合があります。普段よりシャンプーの頻度をこまめにしてあげることがおすすめです。その場合、脂ではなく汗を洗い流してあげたいので、洗浄力は弱めでOKです。

 

■サマーカット

汗をかきやすくなるので、長い被毛は、短く刈っても良いですが、肌が透けて見えるくらい極端に短くするのは紫外線の影響を受けやすいので、お勧めできません。

特に白い犬は、紫外線の影響を受けやすいので注意が必要です。被毛は皮膚を保護する役割がありますので、保護できるように、少し長めかなと思うくらいに残してあげましょう。

 

 

冬:『乾燥対策』

■身体の中と外から保湿

気温が低下する冬は、血流が滞りがちです。血流が末端まで行き届かないと、皮膚への栄養が行き届きませんし、脂の出る皮脂腺の働きも鈍くなってしまいます。そうなると肌が乾燥してしまうので、冬は身体の中と外からの乾燥対策ケアが必要になります。

中から:

マッサージなどをして、血流の滞りを改善してあげましょう。身体を温める食材を使った食事もいいですね。

 

外から:

おすすめは、保湿剤入りの入浴です。入浴によって体を温め、保湿剤で皮膚をケアしてあげれば対策はばっちりです。入浴が難しい老犬や心臓に疾患があるパートナーの場合は、保湿剤を全身にリンスのようにかけ流してあげたり、スプレー等で部分的にも保湿剤を塗布してあげたりすると良いと思います。

長毛種の場合で、被毛を長くしている犬は、静電気でパチパチしているパートナーがいます。パートナー自身もパチパチにびっくりしてしまうので、そのような時は、被毛の保湿としてトリートメントで被毛のコーティングをしてあげると良いでしょう。

また、乾かすときは、できるだけブラシで擦り過ぎない事と、熱すぎるドライヤーの熱は被毛を乾燥させますので、注意が必要です。

普段のブラッシングでも冬はしっとりするようなブラッシングスプレーを使用してあげるのも良いですね。

 

そのほかのケア

季節によって、草木や花粉にアレルギー反応が出てしまうパートナーは、症状が出る時期には、お手入れを頻繁にしてあげることをお勧めします。シャワーやシャンプー、濡れたタオルで拭いてあげるなど、体に付着した花粉を落としてあげます。

私と一緒に暮らしているプードルのかいちゃんは、秋に外に散歩に行くと必ず目が充血し、目ヤニが出るため、目のケアをしやすいように、目の周りの被毛はこまめにカットするようにしています。被毛が短いとふき取りも楽ちんです。

 

季節の変化と犬の体質に合わせてグルーミングの頻度を調整してあげることで、清潔と美しさと健康を維持してあげましょう。

 


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◆リーフドッグ石井 あゆみ
ホリスティックケア・カウンセラー
JKC A級トリマー
日本ペットサロン協会アンバサダー

専門学校を卒業後2つのお店で修行をし、その後、2009年27歳で起業しleaf dogを開業。
論理的にとことん優しいグルーミングを日々研究している。
国内外のコンテストでの受賞暦も多く、高い技術を持つ。
業界誌トリムの連載を2017年8月号から開始。

 

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