ホリスティック豆知識Blog

2019年03月26日(火)

豆知識

愛犬のための ホリスティックグルーミング レッスン 【1】爪切り

【根拠あるやさしいグルーミング】をテーマに、犬の体の構造や動きを研究し、グルーミングを行うトリマーの石井あゆみさん(トリミングサロン「leaf dog(リーフドッグ)」経営)に、飼い主さまに知っていただきたいグルーミングの基本についてシリーズでレクチャーしていただきます。

定期的なグルーミングは人と暮らす今の犬たちにとっては、必要不可欠なこと。
でも方法を間違えると、とても負担のかかることになります。
そして、その原因となっているのが、飼い主さまの日頃の間違った方法だったということも珍しくありません。
意外と知らなかったことや、間違って行っていたことなど、新たな気づきが満載です。
犬の体の構造、特性を知り、そのうえで、犬が一生必要とする体のケアを犬にも飼い主さまにも負担をかけないやさしい時間にするために、ぜひお読みください。

Lesson1.爪切り

犬が必要とするお手入れには様々なものがありますが、どのケアも実は多少サボっても問題はありません。
ですが、今回のテーマ爪切りについては、サボると大変なことになるんです!

■爪切りをサボると起きる大変なこと

・指の変形
・肘や膝、肩や腰などの全身の関節への大きな負担とそれによる痛み

こんなことが起きないように、まずは爪の構造を理解しましょう。

 

■犬の爪は人の爪とは構造が違います!
犬の爪は「かぎ爪」と言って、人の爪の平爪とは構造が大きく違う部分があります。犬の爪は足の指先の骨に爪が巻き付いているのです。人の爪は骨に巻き付いてはいません。

 

骨に巻き付いている爪は、走るときにとても力を発揮します。
走る時に、爪がスパイクの役割をしてしっかりと地面をとらえて地面に爪が食い込みむことで力強く走ることができ、急に曲がったり、岩だらけの道もぐんぐん走ることができるのです。

また、爪が骨に巻き付いていることで地面に爪が当たったとき、どんな地面なのか、硬いのか、柔らかいのかなどを感じることができます。

 

■爪のケアが必要な理由
自然の中で裸足で動く犬にとって重要な役割を持つ爪ですが、一方で、爪が骨に巻き付いているがために、伸びると指自体が変形したり大きな負担がかかったりしてしまいます。

自然の中で暮らしていれば、爪は自然に削れて伸びすぎることは少ないですが、ペットとして飼育されている犬の多くは、骨格の問題や、生活している床がフローリングや絨毯といった室内環境が多いことから、たくさん走っても爪が地面で削れることは少ない場合があります。つまり、地面で削れにくいわんちゃんの場合はお手入れをしないと爪はどんどん伸びてしまいます。
あるデーターでは犬の爪は1週間で1.9㎜伸びるともいわれ、個体差はありますが、1か月放置すると、爪は1センチ近くも伸びてしまうのです。

想像してみてください。
あなたが歩くとき、つま先を1センチ上げて歩くことはできますか?
きっと難しいですよね。

指を正常に地面につけることができず、指がねじれた状態で歩行することは、足に合わない靴をずっと履いているようなもので、ひどくなると、常に靴擦れが起きているような状態になってしまいます。つまり1か月以上爪のカットをせず、伸びっぱなしの犬は、実はかなり指が痛い状態なのです。
だから、爪切りはサボることができないのです。

 

■犬が爪切りを嫌がる理由は?犬にやさしい爪切りの方法
トリミングサロンで犬達が一番嫌な顔をするのが爪切りです。やさしく行うのはとても難しいからです。

犬が爪切りを嫌がる理由はいくつかあります。
・手足は神経が密に通う一番敏感な部分なのに、強引に爪を切られるから
・爪が伸びたまま過ごしたことによる指の痛みがあり、指を触られたくないから
・過去に爪きりで痛い思いをしたから

これらを解決し、やさしい爪切りをするにはどうすればよいのでしょうか?

 

★4週間に1回は爪切りをしましょう
当店でもお久しぶりのパートナーは爪切りの時に【嫌だよサイン】を出しやすいのですが、前回のご来店から4週間以内のパートナーの多くは、【嫌だよサイン】がほとんど出ません。
それだけ爪切りの頻度と痛みには関連性があることを実感しています。

★短すぎにも注意!
犬の爪には血管と神経が通っています。
その血管は、爪の根本が太く、爪の先に行くほど細くなっています。爪を切りすぎると、その血管を傷つけて出血させてしまう恐れがあります。

ほんの少しの出血でしたら、爪の先の血が出ている部分を強めに抑えていればすぐに止まります(圧迫止血)が、根元に近い血管の太い部分を切ってしまうと、圧迫止血だけでは止まらない可能性があり、獣医さんに止血をしてもらわないといけません。

また、血管をカットしてしまうことで痛みや炎症が起こります。
爪の根本に近い部分を何度も切り、出血させることは、爪の根元に強い炎症を起こす危険もあります。
爪が巻き付いている根元の部分には、爪が作られる組織があり大切な部分なので、この部分に炎症が広がると、爪が作られにくくなることがあります。
爪を切る頻度が面倒だなどのとの理由から、爪を根元から切る方法がありますが、これは強い痛みと炎症が起きる可能性があります。あえて常に根元から切ることを私はお勧めしておりません。

★その子に合ったやり方で
ネットで検索すると、爪の切り方はたくさん出てきます。
ここでは切り方の説明はしません。なぜなら大切なのはその子に合った方法でやることだからです。
また、爪切りはプロにお任せいただきたいケアだからです。
カットやシャンプーなどはご自宅で行ってもあまり大きな問題は起こらないのですが、爪切りは失敗も起きやすいためです。

ただ、毎回トリミングサロンに爪切りのために連れて行くのが難しい場合もありますよね。どうしてもオーナー様ご自身で爪切りをされたい場合は、ぜひ現在通っているサロンやお近くのサロンで、レクチャーしてくれるところを探し、その子に合った爪切りの方法を学んだ上でチャレンジしてください。

◎どんな道具がいいのか?
◎どこまで切ればいいか?
◎どのように保定すればいいか?

などを聞きましょう。

そして、慣れるまでは毎日少しずつ、爪を触ることから始めましょう。無理をせず、パートナーとの信頼関係を崩すことなく少しずつ、これがとっても大事です!

もしどうしても【嫌だよサイン】が出てしまうときは無理せずトリマーさんにお願いしましょう!

爪切りは、サボると慢性的な指と四肢の関節の痛みに耐えなければならなくなり、全身の健康を損なうとても大切なケアです。
爪の構造を理解し、こまめにケアしてあげましょう。

 

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◆リーフドッグ石井 あゆみ
ホリスティックケア・カウンセラー
JKC A級トリマー
日本ペットサロン協会アンバサダー

専門学校を卒業後2つのお店で修行をし、その後、2009年27歳で起業しleaf dogを開業。
論理的にとことん優しいグルーミングを日々研究している。
国内外のコンテストでの受賞暦も多く、高い技術を持つ。
業界誌トリムの連載を2017年8月号から開始。
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