ホリスティック豆知識Blog

2019年06月18日(火)

豆知識

愛犬のためのホリスティックグルーミングレッスン 【3】ブラッシング中級・上級 

【根拠あるやさしいグルーミング】をテーマに、犬の体の構造や動きを研究し、グルーミングを行うトリマーの石井あゆみさん(トリミングサロン「leaf dog(リーフドッグ)」経営)に、飼い主さまに知っていただきたいグルーミングの基本についてシリーズでレクチャーしていただきます。


定期的なグルーミングは人と暮らす今の犬たちにとっては、必要不可欠なこと。
でも方法を間違えると、とても負担のかかることになります。
そして、その原因となっているのが、飼い主さまの日頃の間違った方法だったということも珍しくありません。

意外と知らなかったことや、間違って行っていたことなど、新たな気づきが満載です。
犬の体の構造、特性を知り、そのうえで、犬が一生必要とする体のケアを犬にも飼い主さまにも負担をかけないやさしい時間にするために、ぜひお読みください。

中級~毛の状態ごとにブラシを使い分けよう

中級での目的は、毛を一本一本パラパラにすることです。
皮膚への風通しを良くして、皮膚トラブルを予防します。また、毛玉になりにくい状態にすることが大切です。(毛玉を取るわけではないので、毛玉になっている部分は上級編へ)

<対象>
いちゃいちゃブラッシング(初級編に掲載)が習慣になってブラシが当たっても嫌がらない犬
・パピー以外、毛玉のできていない状態の毛の犬
・ある程度犬をコントロールできる飼い主様向け

ブラッシングの仕方~基本~

ブラシを持っていないほうの手で毛をめくって、三回に分けて毛にブラシを入れていきます。

まず初めは毛の全体の毛先3分の1くらいからブラシを入れます。
次に毛の全体の3分の2くらいからブラシを入れます。
最後に皮膚にブラシが当たらないように注意しながら毛の根本付近からブラシを入れます。

このように毛をめくって少しづつブロックごとに毛にブラシを入れていきます。
道具は毛の質や長さによって変わるので、どのようなものが必要か説明していきます。

ブラシの選び方と種類別ブラッシングの注意点

◆短毛の犬
スムースダックス、スムースチワワ、パグ、ビーグルなど

道具はコームと獣毛ブラシを使用します。

コームは程よいピンの太さのものを選択し、細目と粗目が両方ついているものが定番です。
ピンが細いものは、プロがカット用に使用するものですので、短毛の犬の毛にはあまり向いていません。
短毛の犬にはスリッカーは力が入りやすく、皮膚を傷つけやすいので、とても注意が必要です。

下毛が多く密集している場合は、粗目のコームから使用します。

密集している毛がパラパラになってきたら、仕上げで細目で梳かして仕上げます。
皮膚に突き刺さないように、慎重に行います。
コームのピンの先で皮膚をガリガリ擦ってしまうと、皮膚が傷つきひどいときは炎症を起こすので注意します。
皮膚の血行を促したいときは、コームではなく、ゴムやシリコンで作られたラバーを使用しましょう。
顔など特に毛が短い部分には、人用の歯ブラシに豚毛で作られたものがあるので、それを使用すると良いでしょう。


◆中短毛でダブルコートの犬
ロングコートダックス、ロングコートチワワ、毛を短くカットしているパピヨンやポメラニアン

道具はコームか球付きスリッカーを使用します。

毛の量が少ない、密度が薄い犬はコームを使用します。
毛の量が多い、密集している犬の場合はスリッカーを使用します。

コームは短毛犬と同じで、細くないピンで、粗目と細目があるコームを使用します。
スリッカーはピン先に球が付いていて、皮膚を傷つけない構造になっているものを選びます。ピンはできるだけ柔らかくしなるものを選択します。

 

◆中短毛で毛が密集している犬(ダブルコート)
柴犬

道具は粗目のコームか粗目のスリッカーを使用します。
換毛期に下毛が浮いてきているものは、指でつまんで抜くのもOK(ハンドストリッピング)。

根元からコームを入れるより、表面から少しづつコームを入れたほうが犬に負担が少ないです。
コームの角度は、皮膚に対して45度位がちょうどよいです。
それ以上コームを倒すと毛とコームの抵抗が増すので、毛を引っ張ってしまうことになるので、注意しましょう。

↑コーム立てすぎの状態。

 

↑コーム寝かせすぎの状態。

 


↑コーム45度の状態。

 

また、コームの角度を90度に近くするとコームがすんなり毛の奥まで入ります。
しかし、皮膚にコームの先が当たりやすいので、皮膚をひっかいてしまうことになるので、注意が必要です。
45度くらいに倒したコームで滑らせるようにコームを入れてあげてください。

 

◆中短毛でシングルコート、もしくは毛のねじれのある犬
短くカットしているマルチーズ、ヨーキー、プードル、ビションフリーゼ

道具は球付きスリッカーを使用します。

毛が束になっていたり、ねじれたりしているので、その束やねじれをほどくようにします。
毛先から徐々にブラシを入れることで、毛を引っ張ることなくブラシを入れることができます。

毛が細く静電気が起きやすいため、必ずブラッシングスプレーを使用しましょう。
静電気が起きると、絡まりやすく、毛も傷みやすいです。そのような状態の毛は毛玉になりやすいです。
ブラッシングスプレーは、全体に細かく行き渡るように、犬の体から30センチほど離し、空中に噴霧し、噴霧した霧が全体に降りかかるようにします。


◆ロングコートの犬
フルコートのポメ、マル、ヨーキー、5センチ以上長い毛のプードル、ビション、シェルティー

道具はピンブラシや球付きスリッカーを使用します。

毛をかき分けて少しずつブラシを入れます。
静電気防止のため、ブラッシングスプレーを使用しましょう。
乾燥がひどく、ブラシが通りにくい部分にはブラッシングスプレーをブラシにスプレーし、使用すると良いでしょう。
毛が束になっていたり、毛が交差している部分を一本ずつパラパラにするイメージで少しづつブラッシングしていきます。

マルチーズやヨーキーはコームか球付きスリッカーを使用します。
仕上げに獣毛ブラシで整えてあげるときれいに仕上がります。

上級編  毛のもつれや毛玉をブラッシング

上級編の前に、まず何よりも毛玉を作らない、もしくは毛玉のままシャンプーをして固まらせないことが大切です。

もつれたり、毛玉になってしまった部分を洗って、そのまま乾かしてしまうと、カチカチに固まり、ほどくことが困難になってしまいます。
固まった状態の毛玉は皮膚を引っ張ってしまうので、ピリピリと痛みます。
慢性的に痛みがある状態になるので、そこにブラシを入れると、毛が更に引っ張られて強い痛みが生じます。

想像してください。毛玉がカチカチになった状態は、紐のついた洗濯ばさみで皮膚をつまみ、その洗濯ばさみの紐を一気に引っ張る罰ゲームを何度も繰り返しする行為と同じです。
犬にとっては、苦痛でしかありません。

シャンプーをしてしまって、カチカチになったってしまった毛玉をほどくことはあきらめ、サロンにてバリカンで根元から取り除くことが犬にとって最良の選択です。
また、ブラッシングがあまり得意でない方は、決して無理にしないようにしてください。

では、シャンプーする前のカチカチではない毛玉やもつれのほどき方を説明していきます。

初めに、毛玉になっている部分を指でつまみ、毛先から少ずつほどいていきます。
この時使用するのは先に球が付いていないタイプのスリッカーです。
このタイプのスリッカーは皮膚に触れると皮膚をひっかいてしまうリスクがあるので、十分に注意します。
しかし、球付きだとほどきにくいため、球が付いていないものを使用します。
滑りが良くなるように、ブラッシングスプレーを使用してください。

毛先部分からほどいていき、根元付近になってきたら、ブラシを球付きにし、皮膚を傷つけないように気を付けながらブラシを入れていきます。
犬が痛がるようであれば、毛をつまみながら、毛が引っ張られないように注意しながらブラッシングしていきます。

毛玉予防

毛玉ができやすい部分は、耳の後ろ、わきの下、内また、首、後ろ足の関節の部分、しっぽです。

わきの下や内またはヘアスタイルに影響が少ないので、短くカットしておくと良いでしょう。
そのほかの部分はスタイルによって長くしておきたい部分でもあるので、毛玉になる前にブラッシングをすることと、シャンプーの際に、リンスやトリートメントをムラにならないように付着させることも大切です。
トリートメントを塗ってからシャンプーブラシで毛をブラシしてなじませると良いでしょう。
また、シャンプー後、タオルで体を拭くときに、ゴシゴシ拭かず、タオルを押し付けるようにして吸水させることも大切です。
タオルドライの後、乾かす前に、ブラシで濡れた毛を整えてから乾かすと、毛が絡まりにくく乾かせます。


いかがでしたでしょうか?
犬にとって被毛は健康を守るための体の一部であり、犬の美しさ、犬種の美しさを表現するものです。
それを健康にそして美しく保つためには、日ごろのケアが重要になります。
ぜひ、今回のLessonを参考に、初級から実践してみてください!

<バックナンバー>

愛犬のためのホリスティックグルーミングレッスン 【1】爪切り
愛犬のためのホリスティックグルーミングレッスン 【2】ブラッシング初級

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◆リーフドッグ石井 あゆみ
ホリスティックケア・カウンセラー
JKC A級トリマー
日本ペットサロン協会アンバサダー

専門学校を卒業後2つのお店で修行をし、その後、2009年27歳で起業しleaf dogを開業。
論理的にとことん優しいグルーミングを日々研究している。
国内外のコンテストでの受賞暦も多く、高い技術を持つ。
業界誌トリムの連載を2017年8月号から開始。
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(※当ブログの動画は教材とは異なります)

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