ホリスティック豆知識Blog

2019年08月02日(金)

豆知識

犬も老化は足から。丈夫な足腰を作る簡単エクササイズ

パートナー(愛犬)の健康への意識が高いオーナー(飼い主)の方でも、意外と見落としがちなのが「運動機能を保つこと」の大切さです。

「毎日2時間、しっかりお散歩行ってます!」という方にも知っていただきたいのが、その運動の「中身」の重要性。今回は、ドッグトレーナーや老犬介護の資格を活かして活躍中のホリスティックケア・カウンセラー小口美奈さんに、犬の運動機能の老化予防法を詳しくお伺いしました。

1.犬の姿勢から運動機能の衰えをチェックしよう

はじめまして、小口美奈です。
普段は犬の保育園でトレーナーとして勤務しつつ、個人では出張トレーニングやシニア犬介護へのマッサージ・ケアアドバイスなどを請け負う「Doggyheart」を運営。愛犬にお悩みのある飼い主の方を笑顔にしたり、愛犬との信頼関係を深めて頂くことをモットーにお仕事をしています。


さて、みなさんは今、愛犬の運動機能が正常なのか、衰えているのか、把握されていますか?
また、そもそもそれをどうやって判断するのかご存じでしょうか。

私がお仕事でよく見かけるのは、「後ろ足への意識が低いために筋肉が堅くなっている犬」です。実はこれが、足腰の老化を招く第一歩になるんです。

犬は4足歩行ですが、実は前足に体重の7割、後ろ足に3割をかけて立っているのが一般的です。つまり、犬は重い頭を支えるために前に重心がかかりやすくなっているのです。これが行き過ぎると、後ろ足に意識が行かなくなり、横から見たときに前のめりな姿勢になってしまいます。こうなると股関節周りや後足あたりに病気が発生しやすくなります。人の場合、体幹のバランスが崩れるとあごが出たり、腰が引っ込んだりしますよね。

犬の「姿勢」を撮影してチェック

こうならないために飼い主さんが行うべき第一歩は、愛犬の姿勢チェック。

例えばスマホを使って、1ヶ月に1回の頻度で愛犬の立ち姿を真正面、真後ろ、右側面、左側面、真上から撮影します。毎月撮影して見比べることで、「姿勢が右側に傾いてきた」などの変化を知ることができます。
例えば愛犬を後ろから見たとき、2本の後ろ足が「くの字」ではなく、まっすぐ棒のようにそろっている場合、「足周りの筋肉や関節が硬くなってきている」という証拠です。(健康な後ろ足はくの字です)。
さらに、「腰幅より、前後の足の幅が極端に狭くなっている」「お尻が通常の位置よりも下がっている(つまり腰が下がっている)」という場合は、足腰の筋肉が衰えている証拠で、要注意な状態です。

犬の「歩き方」をチェック

また、写真をとらないまでも、お散歩中などに意識的に観察していただきたいのが、愛犬の歩き方です。
例えば首が通常の位置にあり、目線をまっすぐにして歩けている場合はよいのですが、そうでない場合は前足の関節の状態が良くないときです。
また、前後4本の足を動かして、腰回りの筋肉をしっかり使って歩けている場合はよいのですが、ひざを曲げたまま歩行したり、歩く姿は正常でも走ったり階段を上り下りするときにはジャンプしているという場合は、関節が固まっている状態だといえます。

後ろ足への意識を高める方法は?

後ろ足の関節が固くなる原因として「犬はもともと後ろ足への意識が低い」ということがあげられます。そこで、簡単かつ効果的なのが、「タオル地素材のゴムを使って後ろ足への意識を高める方法」です。

具体的には、股関節が硬い場合は股関節の近くに、ひざ周りが硬い場合は膝関節に、と犬の状態に合わせた位置にゴムをつけるだけです。すると、犬がゴムのある部位に違和感を感じてそこへの意識が高まるんです。そのままお散歩や運動などをすることで、やがてその部分に筋肉がつき、後ろ足を使って上手に歩けるようになります。
タオル地のゴムは締め付けが少ないのでおすすめです。(いずれも関節に疾患がない場合に行ってください。)

 

2.いつものお散歩を一工夫。若いうちから始めたい簡単エクササイズ

歩けなくてもOK。愛犬をお散歩に連れ出そう

みなさんの中には「お散歩=排泄の時間」とお考えの方がいるかもしれません。また、愛犬がシニア期に入り足腰が弱ってくると、「若い時と同じようなお散歩は難しいし、トイレも室内でできるし……」と、毎日行っていたお散歩の回数を減らす飼い主さんも多いかもしれません。

ですが、そこはもう一歩考えを進めていただきたいなと思います。なぜなら、お散歩は五感をフル回転できる絶好の機会であり、特にシニア期には気分転換やストレス解消の時間になるからです。

例えばいつものお散歩コースをバギーで移動してみる。または、お気に入りの目的地でマットをしいてまったり過ごす。
他には、抱っこして花や木のにおいをかがせてあげる。若い犬に会わせてパワーをもらう、など…
つまり、歩かなくてもいいので、ぜひお散歩には連れて行っていただきたいなと思います。

ちなみに、足腰が弱った犬にとって「立てた」「動けた」ということは自信につながります。そして、立たせることは肉球を動かすことにつながります。人が手のひらをグーパーと動かすことで筋肉の動きを実感できるように、犬も肉球を動かすことで全身の筋肉を動かしているような感覚が得られると言われています。そして、なんとそれをきっかけに再び歩いたり走ったりできるようになるケースもあるんだそうです。

ですので、もし愛犬が歩けなくなっても、支えてあげながら芝生や土の上で立たせてみてください。それにより地面の感覚を覚えられますし、介助しながら立たせてあげると自力で足を動かそうとします。(その光景は、私がいつも感動するシーンだったりします。)ぜひ、歳をとっても外に連れ出すことを習慣化していただきたいなと思います。

 

犬が「踏ん張って歩ける地面」を探そう

さて、まだまだ健康な犬の場合は、お散歩でいろんな種類の地面(自然素材)を歩かせることを心がけていただきたいなと思います。例えば砂利、芝生、土手、砂場、ウッドデッキ、砂浜などなど。

ちなみに一番のおすすめは「砂浜」です。なぜなら、足が埋もれるところを歩くのは大変なので、とてもいい運動になるからです。他には芝生、土手などもおすすめです。これらはクッション性があるという点がポイント。地面を肉球でぎゅっと握りしめながら踏ん張って歩けるところがいいんです。硬いアスファルトでは、そうはいきませんよね。


他には、公園に行ったとき、木の根っこの周りを歩かせるという方法もあります。犬は段差があるところはジャンプしがちですが、根っこを踏んでもいいのでしっかり4本の足で歩いて跨がせると股関節周りの筋肉を使わせることができます。
小型犬の場合、段差が高すぎるとジャンプしがちなので、低い根っこを選んでください。やはり肉球に適度な刺激が与えられるので、脳も活性化します。


「関節周りに疾患があるけど歩ける」という場合は、ゆるやかな坂道をゆっくり歩かせてあげてください。上りは後ろ足の筋肉、下りは前足の筋肉を鍛えることにつながります。
ゆるやかな坂道をゆっくり上り下りすることは、足だけでなく全身の筋肉を使います。土手なら、ロングリードを使って犬だけ上り下りできるのでおすすめです。

 

3.室内でもできること、いろいろあります

お散歩でのエクササイズが大切なのはご理解いただけたとは思いますが、長引く雨や猛暑、お散歩コースの環境などによってそうもいかない日もありますよね。

ということで、お部屋の中でも工夫次第で、先ほどご紹介したような運動が可能です!いくつかアイデアをご紹介します。

カンタンな道具を使って

突っ張り棒やラップの芯をつなげたものを数本用意して、ランダムに並べたら…「木の根っこ」の代わりになります。跨がせるように歩かせてみましょう。
レトリバーなどの大型犬でも、後ろ足を引きずって歩くのが癖になっている場合は細い突っ張り棒でも跨げずに蹴飛ばしてしまう場合があるんです。しっかり筋肉づくりをしてあげましょう。なお、突っ張り棒を並べるのは堅いフローリングの床よりも、肉球を踏みしめて歩けるようにベッドやソファなど軟らかい地面がおすすめです。

 

こちらの動画は、11歳のゴールデンレトリバーの男の子が「突っ張り棒またぎ」をしているところです。

 

小型犬なら座布団やクッションの上をゆっくり歩かせるだけでもいいですし、「4秒かけてお座り」「4秒かけて立たせる」といったことも効果的です。「ゆっくり立ったり歩いたりさせる」ためには、リードを使うか、トリーツをゆっくり動かして誘導するようにしましょう。

 

同じゴールデン君が「4秒でゆっくり立つ、座る」をしているところです。

道具を使わずに人と遊ぶ

・人が足を広げて座り、そこを犬にまたがせてみましょう。また、人が膝を立てて座り、その下をほふく前進させる遊びもおすすめです。(おやつやおもちゃで誘導してみましょう)

 

・おやつ探しゲームはいかがですか?クッションをたくさん並べ、その下におやつを隠したり、毛足の長いマットの毛の中に隠しても。
また、人の手におやつを隠して「どっちの手入っているか当てよう」ゲームでもOK。シニア犬の場合、はずれのこともありますが、私は「残念ハズレ~!」と言いながらおやつをあげちゃいます。宝探しゲームを楽しんでくれることが大切なんです。

 

こちらの動画は、バスマットでのおやつ探し。おやつは大きいほど、または個数が多いほど難易度が低くなります。

 

・人が寝転がって犬を胸元に持って行き、犬を仰向けにさせます。前足のつけねを持って前足と後ろ足を引っ張り、ストレッチしてみましょう。
これを毎日続けていると、少しずつ可動域が広がっていくので、できれば継続してやってあげると効果的です。また、硬くなっている部位をさすったり、ほぐしてあげるだけでも十分な刺激になります。人の手を添えることで「温める」ことになり、ほぐし効果があります。

・お部屋に段差が高すぎない階段があれば、リードをつけてゆっくり上り下りさせてください。なお、階段には滑り止めパッドをひいてあげてくださいね。

4.「シニア犬が今もできること」を継続できるサポートを

高齢になるにつれ、犬ができなくなることが増えていくかもしれません。
ですが、そうなった時、急に生活パターンを変えて人がサポートするという構えでいるよりも、「これまでの生活パターンをなるべく変えずにシニア期を迎えられるよう、運動をしっかりさせるなど若い時の過ごし方を見直す」ということが大切です。

また、できなくなったことに対し過保護にサポートするよりも、「今できることを継続できるようにサポートする」ことを心がけましょう。

例えば食事の場合、
・食べられるけど口の横から食べ物をこぼす場合
⇒スプーンを使ってご飯を舌の上に載せてあげて、咀嚼がうまくできるようにしてあげる

・食べられるけど飲み込みづらそうな場合
⇒飲み込みやすいように台を使って食器の高さを口元あたりまで上げる

といった「今できること」はちゃんとさせるような介助を行いましょう。


いかがでしたか?運動の大切さをしっかり理解して、元気なシニア期をすごさせてあげてくださいね。

 


小口 美奈(おぐち みな)
Doggyheart代表

ホリスティックケア・カウンセラー、ホリスティックペットシッター
PLAYBOW Dog Trainers Academy 認定ドッグトレーナー
社)日本ペットセラピー協会 免疫マッサージセラピスト師
社)日本ペットセラピー協会 免疫マッサージ講師
日本ペットシッター協会 認定ペットシッター師 会員番号6064号
動物愛護社会科検定・基礎級免許資格所持

JAPANペットケア協会 老犬介護スペシャリスト資格所持
JAPANペットケア協会 ドックリハビリトレーナー資格所持


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