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2020年12月24日(木)

豆知識

シニア犬が喜ぶやさしい部屋づくりは、「なるべく早く」が基本

 

パートナー(愛犬)が年齢を重ねるにしたがって、「穏やかに過ごさせてあげたい」「快適に過ごさせてあげたい」と住環境に注目するオーナー(飼い主)は多いのではないでしょうか。
若い時は少々負担がかかっていても若さでカバーできますが、加齢に伴って少しずつ不便、不快、そして怪我や事故につながるリスクも上がっていきます。

 

仔犬を迎える時に、危ない場所がないか、快適に暮らせるかなど「仔犬にやさしい部屋づくり」を考えたのと同じように、「シニア犬にやさしい部屋づくり」を考えることは大切です。そしてさらに、パートナーが若いうちから考えはじめることはとても重要です。

 

「うちはまだ5歳だから大丈夫」とオーナーが思っていても、パートナー自身はストレスを感じていたり、また歳をとってからの急なお部屋環境の変化は、慣れるまでに時間がかかったりします。パートナーによって、アレンジの方法は変わってきますので、順応性が高いうちに、快適なシニア犬ライフが送れるお部屋環境を見つけてあげましょう。

 

今回は、シニア犬介護コースのテキストから、シニア犬の住環境のポイントを紹介します。

 

シニア犬のための部屋づくりのポイント

環境整備をする上で押さえておきたいポイントは、

・安全
・快適
・清潔

を保つことです。それぞれのパートナー、また年齢や介護状態の有無によっても、安全や快適さは違ってきます。

高齢になればなるほど、大きな環境変化は避け、今の状態でよりよくするための工夫としてはどんなことができるかを考えていきます。逆にまだ若いパートナーであれば、シニア期や介護の状態を想定し、今できることとして、どのようなことがあるかを考えていくと良いでしょう。

 

事故を防止し、安全性を確保しよう

成犬の時と変わらず、体がよく動く場合は良いのですが、一部介助が必要な状態や目が見えにくい場合は、安全基準や配慮すべきポイントが少し変わってきます。たとえそれが住み慣れた家であっても、危険になる場所がいくつかあります。まずはパートナーが移動できる場所で、ケガの原因になりそうな部分がないか確認しましょう。

例えば、床。滑りやすいフローリングは若いパートナーにとっても負担がかかりますが、シニア犬は後肢の踏ん張る力が弱くなるため、若い時以上に負担がかかりやすくなります。
滑りにくいタイルマットやコルクマットなどを若い時から活用し、パートナーの足腰にかかる負担を軽減しましょう。


◆事故防止策


・家具の角にぶつかってもケガしないようにクッション材などをつける
・コンセントキャップをつける
・コードは束ねてひっかからないようにする
・家具の隙間をつくらない
・これから先を見越して早めの対策をとり、少しずつ慣れさせるようにする
・高さのあるソファを上り下りする際は、スロープ*や階段を設置する
など

*スロープを利用する場合は、トレーニングが必要となる場合があります。年を取ってからよりも、若いうちからトレーニングしてスロープに慣らしておくと良いでしょう。

 

◆床材


・滑りにくい床にする
・滑り止めマットを敷く
這って移動する場合*は摩擦を軽減するため、完全な滑り止めの床にはしない
など

*這って移動するパートナーには、洋服を着せるのも有効な手段のひとつです。

 

なお、すべてをバリアフリーにすれば良いというわけではありません。小さな段差や障害物をよけることは運動やリハビリのひとつになる場合もあります。パートナーの体の大きさ、年齢、運動量や筋肉などを考慮した上で、高齢になってからの安全も考えてあげてください。

 



シニア犬介護コース』では、お部屋環境の整え方について、他にも「温度・湿度、トイレ、日差しの管理、寝床やベッド選びのポイント、介護の状態別の推奨環境」などについて学べます。
介護に必要な知識を知ることで、「今できること」「若いうちに対策できること」に気付くことができます。ぜひご家庭のパートナーのケア、お客様へのアドバイスにぜひお役立てください。

 

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