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2020年07月10日(金)

豆知識

犬のリンパマッサージの目的や効果って?リンパの働きを知ろう

「足がむくんでいる人は、リンパの流れが滞っているので、マッサージしましょう」
といったことはよく耳にしますが、「リンパって何?」や「流れが悪いと何がダメなの?」については、意外とちゃんと知らなかったりしませんか?

 

リンパの働きを知ると、人も犬も、生活そのものを見直したくなるかもしれません。ここでは、当講座でも学べるリンパ系の働きと、リンパマッサージのメリットをご紹介します。


「リンパ管」と「リンパ液」

 

犬のリンパ系

リンパ管

リンパ管は、リンパ液が流れる管で、上の図のように、血管のように全身に張り巡らされています。
リンパ管のスタート部分は網目状の「毛細リンパ管」で、毛細血管のような状態ではありますが、どの組織ともつながっていないため「閉じた」状態です。

 

スタート地点から進むと、いくつもの毛細リンパ管が集まって合流し、だんだんと太くなっていきます。最後は2本に集約され、静脈に注ぎます。そこがゴールです。


ほとんどのリンパ管の中には、逆流を防ぐ「弁」がついており、リンパ液が一方向にだけ流れるようになっています。

ただし、リンパ管には、血管にとっての「心臓」にあたるポンプ機能がないため、筋肉が動いたときの圧力や、呼吸による体の動きなどがリンパ液の流れの原動力になります。そのため、流れはゆっくりで、スピードも一定していません。

 

リンパ液

「リンパ液=リンパ管の中を流れる液」ですが、もともとは血液の一部、または細胞の間を満たしている液体(組織液)の一部です。

毛細血管の薄い壁から、外に出られるサイズの細胞と液が外に流れ出し、全身の細胞と細胞の間を満たしています。
その液体の多くは、また毛細血管の壁を通って血液に戻っていきますが、約10%ほどが全身に張り巡らされたリンパ管の壁を通って流れ込み、リンパ液になります。リンパ管は、血管よりも壁が薄いので、血管には入らないような分子の大きいタンパク質や病原体なども入ってきます。

 

<リンパ液に含まれているもの>
・タンパク質、ミネラル、栄養素など
・損傷した細胞、がん細胞、細菌やウイルスなどの異物

 

リンパ系の役割

もともと血液や細胞の間にあった液体の一部が、リンパ管の中に入ってリンパ液となるわけですが、それは、リンパ系がこんな役割をになっているからです。

1.細菌、ウイルス、いらなくなった細胞成分を処理する

リンパ液に存在する「免疫細胞」が、リンパ液に含まれる細菌やウイルス、損傷した細胞、タンパク質などを攻撃します。そのため、リンパ管のゴール地点では、リンパ液はきれいになっており、その状態で静脈に注ぎます。
つまり、リンパ系は下水処理場のような働きをしているのです。

 

2.余剰な水分を回収し、血液の中に戻す

毛細血管から細胞の間へ流れ出た液体(組織液)は、多くが血管に再吸収されますが、吸収しきれなかった場合はリンパ管に入り、最後に静脈に注がれます。これによって、血液は量が増えすぎたり減りすぎたりすることがない仕組みになっています。

 

3.免疫機能

体にとっての異物を察知し、抗体をつくって感染防御機能を高めています。

 

リンパ節

特に、1と3の機能がうまく働くために、大切な役割をになっているのが「リンパ節」です。

毛細リンパ管は、いくつもが集まって合流し、静脈に注ぐゴール部分まで徐々に太くなっていきますが、途中の合流地点は実にたくさん(数千ともいわれる)あり、そこにそら豆のような形をした「リンパ節」という場所があります。

リンパ節には、「リンパ球」「マクロファージ」などの免疫細胞がぎゅっと集まっています。リンパ球が異物を発見すると、リンパ節で異物を濾過(ろか)したり、免疫細胞で攻撃したりして、血液へ侵入するのを防いでくれます。


リンパ液をしっかり流すために

こんな大切な働きを担っているリンパ系。ですので、「しっかりとリンパ液が流れている」ことが大切です。
しかし、ポンプ機能がなく、弁がない箇所もあるため、流れは一定しません。

 

そこで「リンパマッサージ」の登場です。

体の外から刺激を与えて、しっかりリンパ液を流すことで、リンパ系の免疫機能をサポートできます。
特に、筋肉が落ちてきているシニア期や、運動量の少ないパートナーは、意識的にリンパマッサージをしてあげると健康に役立ちます。もちろん、健康で足腰に問題がない場合は、運動もしっかりと行いましょう。

 

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