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2021年01月29日(金)
シニア犬を学ぼう2『シニア犬はストレスに弱い?』
シニア期に起こる、「行動」の変化と原因
シニア犬について、多くのオーナー(飼い主)が心配していることは、「病気が増える」ということかと思います。実は、その裏で見逃しがちなのが、「ストレスを感じやすくなり、それに伴いQOLが低くなること」です。
シニア期に入ると、身体的・心理的・神経的な変化が起こるため、ごく自然に行動が変化してきます。
行動の変化につながる要因はたくさんあります。
例)
◆神経伝達系などの認知機能がおとろえ、刺激や状況を認識するまでの時間が遅くなる
⇒音は聞こえていても振り向かなくなる
◆脳機能が低下する
⇒新しいものや状況などを認知する能力が劣える
⇒考え方の柔軟性が低くなり、頑固な気質に変わっていく
⇒ささいな刺激に敏感になり、我慢ができなくなる
シニア犬とストレス
脳や神経伝達機能の衰えにより、新しいものを受け入れづらくなったり、ささいな刺激に敏感になったりというシニア期の犬たち。
つまり、これは、「ストレスを感じやすくなる」ということでもあります。
たとえ、今までと変わらない生活スタイルだったとしても、実はそれがもともと犬にとってストレスを感じるものだった場合、「若い時期には自分の力だけで対処できていたけれど、歳をとってから忍耐力が低くなり、ストレスを強く感じるようになった」ということが起こります。
実は、若い頃にすでにストレスサインが出ていたり、それに伴う疾患が発症していたりする場合もあります。しかし、オーナーがそれに気づかなかったり、気づいていても何の対応もしないままシニア期を迎えてしまった場合、シニア期になって突然「オーナーが困るレベルの行動問題」にまで悪化してしまうことにつながります。
また、シニア期になると増える病気に対して、医療行為や介護が行われますが、それが犬のストレスとなることがあります。これは、変化の受け入れや忍耐がより苦手になるからです。犬のためにと思い治療や介護をしているのに、そのことを犬がストレスに感じているとしたら本末転倒です。何が原因であるかを知り、軽減する努力をする必要があります。
犬の立場から正しくシニア期をとらえよう
シニア期にの身体的・心理的・神経的な変化のスピードは個体差が大きいものですが、大切なのはその変化が犬のQOLにどれだけ影響するかを、犬の立場から正確に評価し、それに伴った対応をすることです。
また、犬はシニア期に入っても学習しますが、若い時のようにチャレンジや楽しさを求めたりすることは減り、「嫌なことからの回避」「オーナーへの依存」などネガティブな目的が多くなります。犬にとっては楽しめることが減ることにもつながるので、「ある行動をとったらよいことが起こる」といった方法を使い、シニア期になっても楽しめることを学習できるようにしてあげましょう。
7歳以上になったら、医学的な面と行動面を両方チェックし、QOLを損なうことがないように準備していきませんか?
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