ホリスティック豆知識Blog

2019年08月21日(水)

豆知識

季節の変わり目の体調不良はなぜ起こる?(夏⇒秋編)

「中医学(中国伝統医学)」では、季節と身体は密接に関わっていると考えます。


中医学では、個体に対して「体質の改善」「症状や病気の緩和や予防」という2つの目的から、自然界由来の生薬・食品などを用いてアプローチします。また、「体質」を最も重視します。体質は生まれつきという一面もあれば、成長過程で変わっていくものもあります。

今回は、「人とペットの中医養生アドバイザー」として活躍するホリスティックケア・カウンセラー・齋藤まゆみ先生に、季節から影響を受ける体調について詳しくお伺いしました。

季節と身体の密接な関係

春夏秋冬、季節の移り変わりは、実は体内にも影響を及ぼします。

春の強い風の影響を受けやすいのは肝臓。
夏の暑さによってダメージを受けやすいのは心臓。
梅雨時の湿気によってダメージを受けやすいのは脾臓(消化器)。
秋の乾燥した空気によってダメージを受けやすいのは肺。
冬の寒さの影響を受けやすいのは腎臓です。

これらは中医学を学ぶことで詳しく知ることができますが、今回は夏から秋にかけてのお話しをさせて頂きたいと思います。

夏⇒秋の過ごし方はここに注意!

暑い夏、人はたくさんの汗をかきます。犬は汗の代わりにパンティングにより体温を調整しますが、汗もパンティングも体内水分を消耗します。それにより血液がドロドロ状態になりやすく、心臓にも負担がかかってしまいます。心臓に負担がかかっているサインは、舌先がいつも以上に真っ赤になることです。普段から舌を出している時の色をチェックしておくことで、いつもとの違いに気づけますから、元気な時こそ「いつもの舌の色」を知っておくことは大切です。そして、こまめな水分補給を心がけましょう。一度にたくさん飲むのではなく少しずつこまめに摂取しましょう。

 

また、夏は体内に熱がこもりやすく(内熱)、イライラや不眠、動悸や不整脈などの症状が現れることがあります。それらは心臓への負担になってしまいますので、体内の余分な熱を出す作用(清熱)がある食材をトッピングしたり、手作りごはんの食材として選択したりすることもおすすめです。
体内の余分な熱(内熱)がこもったまま、空気が乾燥しやすい秋を迎えると今度は肺がダメージを受けやすくなってしまうので、旬の野菜を上手に取り入れて養生しましょう。
黍(きび)や粟(あわ)などの雑穀、きゅうり、トマト、冬瓜、セロリなどの野菜やお豆腐にも清熱の作用があります。詳しくは「愛犬のためのホリスティック食材事典」をご参考ください。

 

また、冷やしすぎは消化機能の低下に繋がります。季節にあった食材でも取り過ぎると逆効果になってしまいますのでほどほどに。何事もバランスが取れていることが大切です。
このように夏は「暑さ」によって心臓に負担がかかることを予防するための対策や食事を心がけ、舌の色や激しいパンティングなどのサインも見逃さないようにチェックすることが大切です。

9月に入ると暑さも落ち着き、だいぶ秋らしくなってくると思いますが、秋は「乾燥」した空気で肺や大腸、鼻や皮膚もダメージを受けやすい季節です。肺が乾燥すると咳が出たり、酷くなると喘息になってしまうこともあります。また、大腸が乾燥すれば便秘を引き起こしてしまいます。他にも鼻づまりや鼻炎、皮膚トラブルなども起きやすいのが秋の季節です。

 

乾燥によって体調不良を起こさないように体内を潤す作用がある食材を上手に取り入れましょう。特に「白い食材」は体内を潤す働きがあります。ヨーグルト、豆腐、山芋、蓮根、梨、白ごまなどをトッピングや手作りごはんの食材として活用しましょう。

 

また、食べることと同時に、食べたものの栄養素や酸素を身体の隅々まで運んでもらえるように体内の巡りを良くすることも大切です。全身をさすってあげたり優しくマッサージしたりすることも良いでしょう。


人も動物も自然界の一部です。身体は陰気陽気(四季)の移り変わりによる影響を受けながらも食事や生活習慣に気をつけることで体内バランスや心と身体のバランス、あらゆるもののバランスを保ちながら健康に過ごしています。逆に虚弱体質で病気がち、季節の変わり目はいつも体調が悪くて、と言う場合は、季節や体調に合った食材を取り入れたり、十分な睡眠時間を取るなど生活習慣を見直すことが大切です。


そして、飼い主様の健康が最も大切だということもお忘れなく!ご自身の健康管理が、一緒に生活している動物たちの健康へと繋がります。家族みんなが健康で過ごせるよう日々の食事や生活習慣(養生)を考えてみてくださいね。

齋藤まゆみ

SMILEDOG主宰
人とペットの中医養生アドバイザー
ホリスティックケア・カウンセラー
愛犬とオーナー様の「笑顔と幸せな毎日」のために、日々の生活に取り入れられるホリスティックケアに関するセミナーを開催。
また専門学校の非常勤講師や海外でのセミナー開催など幅広く活動中。

 


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