ホリスティック豆知識Blog

2018年08月04日(土)

豆知識

保護犬をキレイに!ボランティアトリミング活動に密着

今回は、ホリスティックケア・カウンセラー養成講座「犬と猫に負担のないグルーミング」の講師、仲田謙一先生渡辺和明先生が9年前から毎月行っている「ボランティアトリミング」通称「ボラトリ」を密着レポートにてご紹介します。

ボランティアトリミング(通称ボラトリ)とは?

ボラトリとは、トリマーさんがボランティアで保護犬たちのトリミングを行うこと。動物愛護センターや愛護団体で行う場合と、自身のサロンで行う方法などがあります。日本各地で広がっている活動です。

講師のお二人は2008年から、千葉県の動物愛護センターで譲渡を待つ犬たちにトリミングを行ってきました。

ボラトリの目的は、綺麗にしてあげることはもちろん、トリミングを通して人の優しさをもう一度伝えることです。中には美容に慣れていない犬もいるため、グルーミングトレーニングを行い「怖いことじゃないんだよ」と伝えているそうです。

スタート時は設備も何もなく、愛護センターの職員のみなさまの気持ちもボラトリの受け入れにポジティブではなかったそうです。それが、継続して行うことで想いは同じであることが伝わり、やがて手作りのトリミング部屋ができ、設備が少しずつ整っていったそうです。

毎回、仲田先生・渡辺先生と数名のトリマーさんが参加されていますが、最近はトレーナーさんや獣医さんも参加し、トリミングのサポートやそれぞれの立場からできことをされています。

ボラトリの1日

今回は、千葉、神奈川、東京から集まった8名のトリマーさんと2名のトレーナーさんが参加。

千葉動物愛護センターは千葉県の冨里市の緑いっぱいの中にあります。入口には長友心平さんの大きなイラストが飾られていました。(素敵!)

ボランティアトリミングの現場・千葉動物愛護センター

千葉動物愛護センターは千葉県の冨里市の緑いっぱいの中にあります。

午前10時ごろにセンターに到着。受付後にまず行うのが、動物慰霊碑のお掃除と参拝です。

ボランティアトリミングの現場・千葉動物愛護センター2

ボランティアトリミングの舞台となった千葉動物愛護センターの中には、動物たちの霊園があります。

その後、着替えをし、今日トリミングする犬のリストを見て、犬舎に迎えに行きます。

※女子チームが着替えのためにお借りしたのは、トリミング室のとなりにある猫のお部屋だったのですが、生まれて間もない子猫がたくさんいました。猫が抱える問題がこの部屋を見るだけでもわかります。

今日トリミングする犬たちは、譲渡犬4頭と、愛護センターで行っているセミナーでデモ犬をしている犬たち4頭。トリマーさんたちが手早く道具やシャンプーを用意し、犬たちとコミュニケーションを取り、心の準備ができたカップルからシャンプーが始まります。

 

 

この子はシャンプー嫌いではないようで、気持ちよさそうにしています^^

 

 

 

渡辺先生がやさしいスリッカーの方法を後輩トリマーさんにアドバイス。

 

 

デモ犬の柴犬くん。爪切りが苦手なようで、仲田先生がやさしく抱っこして、行っています。

立ったまま行うとかなり嫌がっていましたが、抱っこすると落ち着き、問題なく完了しました。「こうするべき」ではなく、その子に合ったやり方を模索し行うことが大切です。ホリスティック!

 

 

 

ちょっとわがままなプードルさん。嫌なことにガウガウするので、トレーナーさんがトリーツを使いながらサポートしシャンプーをします。とても優しく見事な連携でした。

 

 

終わったあとは、こんな風に犬と一緒に会話したり、トレーナーさんが、その場にあった段ボールで即興コングを作成し遊んであげたりと、ゆったりとした時間を過ごします。ひとしきり遊び終わったら犬たちを犬舎に戻し、終了です。

 

 

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ボラトリ参加者へのインタビュー

参加された方にお話しを伺いました。

■吉田麻美さん
Family Grooming Mammy’s /トリマー/ ホリスティックケア・カウンセラー受講生)

「ボラトリをしていると、センターの職員さんや保護団体さん、ボランティアの方々、沢山の人の想いが集まり、ひとつの命が繋がっていることを感じます。私自身が出来ることは小さいですが、今の現状を知り伝えていくことで里親という選択肢を少しでも多くの方に知って頂きたいと思い、参加しています。

ボラトリでは「キレイに可愛く」だけではなく、様々な理由で家族を失った子達に人の温もりを伝えることをとても大切にしていますが、参加するたびに犬達からもらうものの方が大きいと感じます。このまっすぐに見つめる眼差しを人が手放すことのない世の中にするために、トリマーとして自分が出来ることをしていきたいです。」

 

■清峰 斉仁さん
hundhund(フントフント)/トレーナー/ ※段ボールコングを作ってくれた方です)

「僕がボラトリに参加したきっかけは、トレーナーとしてトリミングを見ていて、もっと負担なくできないのか?と疑問を持ち、そのためにトリマーとトレーナーがタッグを組めないかと考えた始めた時に、仲田さんの噂を聞き、セミナーに参加させていただいたことでした。
セミナーを聞き、仲田さんの考えに共感し仲田さんが大好きになり(^^)、そこからボラトリにも参加させていただくようになりました。
僕はトレーナーなのでトリミングが出来るわけでないですが、自分がいることで、犬たちのココロに良い影響を与えられたらと思い、毎月参加しています。またあのボラトリの時間がとても心地よいので、楽しくて参加しているのもありますけど(^^)」

———

犬たちをとりまく様々な環境に対し「なんとかしたい!」という気持ちから参加し、参加すると犬と人、人と人とのつながりや、犬達からもらう「幸せな時間」への感謝の気持ちが生まれる。それが「ボランティアトリミング」なんですね。専門学校の学生さんが参加されることもあったそうですが、人材育成という意味でも素晴らしい取り組みですね。

ホリスティックケア・カウンセラーができること

人が行うトリミングやグルーミングは、自然に生きていれば犬にとっては必要なく、負担の多い時間です。でも、現代の社会で生きていくためには必要不可欠なことです。清潔を維持するだけでなく、皮膚や被毛、ひいては全身の健康につながります。それを負担の多い時間にするか、楽しい時間にするかは、飼い主そしてトリマー次第です。一生続けなければいけない犬にとっては、大問題です。
また、まだまだ日本では、飼育放棄で犬や猫がセンターに持ち込まれています。悲しいことです。少なからず心に傷を持ち、人を受け入れない犬、トリミングが嫌いな犬たちは、私たち人間にさまざまなことを教えてくれます。

9年をかけて、心に傷を持った犬たちと数えきれないほど触れ合ってきた仲田先生と渡辺先生が犬たちから学んだのは、技術はもちろんですが動物に対する考え方だそうです。講座のテキストで伝えられることは限られているかもしれませんが、それをしっかり受け取っていただき、ホリスティックケア・カウンセラーとしてみなさんのパートナー(愛犬愛猫)、お客様に伝えていただきたいと思っています。その先には、きっと犬猫と人の幸せしかないと思います。


■最後に

これまでこの活動を続けてこられた仲田先生、渡辺先生をはじめ、多くのトリマーのみなさまに、そして毎日命と向き合っているセンターのみなさま、また、今回取材させていただいたみなさまに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

■千葉県の現状(詳細はこちらをご覧ください。)

平成28年度にこのセンターで致死処分された頭数は、
犬:181頭
猫:971頭
で、決して少なくはありませんが、センターの職員のみなさま、多くの愛護団体のみなさまの尽力で、10年前からするとかなり減っています。
収容される理由は、「捕獲・保護」と「引取り」です。

(講座事務局 塔春)

 

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【基本のケア】

・基礎知識:犬と猫を知る/犬と猫のストレスを知る
・食事:犬と猫の栄養学、ペットフード、手作り食、サプリメント
・運動:おうちでできる筋力アップエクササイズ
・お手入れ:ホリスティック・グルーミング
 
【さまざまなホリスティックケア】

・ツボ・リンパマッサージで体調ケア
・Tタッチ:動物をリラックスさせ、人との絆を深めるタッチケア
・植物療法(メディカルハーブ/アロマテラピー)

 

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