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加登 人実生

ペットショップ経営

加登 人実生さん

「獣医師にはできないことを。」挑戦し続ける経営者

加登さんは、大阪府・金剛駅近くにあるお店「PET VALL(ペットバル)」を経営しています。

犬と猫のフード、サプリなどの店頭販売と通販、グルーミングサービスを併設するショップで、店長として商品選定と仕入れから販促、接客、通販運営まで1人でこなします。グルーミングはトリマーの奥様が1人で行っています。

2015年にホリスティックケア・カウンセラーの資格を取得、現在はペットフーディスト養成講座を受講中です。

取材時には10年以上の常連だというご家族が来店、「うちの子のごはんやサプリメントについて詳しくアドバイスをくれる。今では息子と娘のような存在なんです。」とのこと。そんな加登さんに、お仕事のポリシーや課題、資格の活用法などを伺いました。

 

ペットブーム全盛期に鍛えた「健康管理」のスキル

小さいころからずっと犬を飼ってきて、この道に進みたいという気持ちがあり、高校3年生からペットショップでアルバイトをしていました。店長がひと癖あるキャラクターで、今思えばその方から受けた影響が大きいです。動物と関係のない大学に進んだものの、その店長から言われた「20代のうちに貯金してお店を持て」という言葉のとおり、アルバイトでコツコツ貯金し、開業に備えていました。大学卒業後はそのショップに就職し5年ほど勤めたあと、さらに別のショップで経験を積むこと5年。満を持して自分のお店を持つことができました。

 

ペットショップ勤務時代は、まさにペットブーム全盛期。今ではありえない頭数をさばいていた生体販売と、その犬や猫たちの健康管理が自分の責任範囲にありました。体調を崩す犬や猫もたくさんおり、かかりつけの獣医師の対応も間に合わない状態。獣医師から直接、どうやって健康状態を把握し体調にあわせてケアするかということを叩き込まれ、夢中で実践する日々でした。そこで行き着いた考えは「獣医師と飼い主の間に立ち、獣医師にはできないことがしたい」。これが、今の自分のスタイルにつながっています。

 

1頭1頭にあった提案を、本気で実践する

やりがいは、やっぱり飼い主の方に「ありがとう」と言ってもらえることですね。

そこで一番大切にしている考え方は「どの子も元気で長生きしてほしい。そのために自分は獣医師にはできないことをしていく」ということ。

そのため、お店ではできるだけ1頭1頭にあった食事や生活の提案を心掛けています。例えばフードは提案に合わせた選択肢を用意したいので、お店の都合で特定のブランドだけを一推しすることはしません。食事の内容よりも与えるタイミングや時間帯が重要な病気でお悩みの飼い主さんには、そのアドバイスにとどめて無理に商品購入につなげる接客をしたりはしません。時には自分が飼っていた犬の病気の経験から、おしっこのpHの測り方や、数値の見方をアドバイスすることも。また、このお店で行えるサービスは限られているため、周辺のトレーナーさんや獣医師さんと連携し、店外のサービスも積極的にご紹介しています。

 

トリミングサービスでも考え方は同じです。

例えばここ数年、常連の飼い主さんのわんちゃんが高齢化してきているけれど、できるだけ全頭、最期までサービスをご利用いただけるようにしたい。そうなると、「無事にお返しすること」が最重要になりますから、飼い主の方から体調のヒアリングを行うのはもちろんのこと、念のため店内で体重・検温・心雑音の確認、腫瘍がある場合はその大きさの変化の確認まで行っています。ここまでしているから、トリミングは手一杯。新規のお客様の受付を休止しています。

 

こんな感じなので、なかなか儲かりませんね(笑)。でも、そこまでしているというポリシーは貫きたいと思っています。

トリミングサービス前に使う体重計や聴診器など

トリミングサービス前に使う体重計や聴診器など

 

課題はもちろんあります。自分は獣医師ではないので、できることは限られているし、話をどこまで聞いてもらえて、実践してもらえるか、というところです。例えば、わんちゃんが高脂肪食に耐えられない病気で療法食を与えているという飼い主さんが、その子のために脂肪の多いジャーキーの購入を検討しているとき、何をどう伝えればいいのか。伝え方によっては心証を害することもありますし、難しいポイントです。

資格はいらないと思っていた。けれど…

資格は正直、いらないと思っていました。ただ、自分の話を聞いてもらうには資格など形あるものでアピールした方がいいと考えたことや、独学の場合は知識に偏りが出そうなので、幅広く学びたいと考えたことが、ホリスティックケア・カウンセラー養成講座を受講したきっかけです。

受講したことで、知らなかった部分を穴埋めできました。今も、講座のテキストは飼い主の方にアドバイスするときに使っています。例えば、手作り食をする人に、お肉や野菜の配合の目安表を見せながら説明したり、必須脂肪酸の与え方の説明に使ったりすることもあります。こうすると説得力が増すことがあるので、いつもテキストは店に置いています。ペットフーディストの方も、食事の視野をさらに広げられればと受講中です。

レジ台の近くに講座テキストや接客の時に使う資料を保管

レジ台の近くに講座テキストや接客の時に使う資料を保管

看取りやペットロスも。「獣医師にはできないこと」をさらに追及

「どの子も元気で長生きしてほしい。そのために自分は獣医師にはできないことをしたい。」そのポリシーは変わりませんが、自分にできることの幅を増やしたいと思っています。

今一番関心があるのは『介護・看取り・ペットロス』についてです。
例えば、愛犬の大病が突然発覚して、治療か緩和ケアかの選択を迫られて悩んだり、愛犬が入院中に亡くなってしまい、最期を看取れなかったことで酷いペットロスに陥ったり、という飼い主の方を見てきているので、うまくサポートできないものかと考えています。自分もつい最近、愛犬をガンで亡くしたばかりなのでわかるのですが、いざその場面に出くわすと、パニックになってうまく行動できない飼い主の方って多いんです。そんな時、まずは話を聞いてあげるだけでもフォローになることがありますし、自宅で看取りたい方、病院に任せたい方などニーズに合った悩み相談を受ける必要があると思っています。動物病院ではなかなか対応しきれないそのあたりを、自分たちがやっていければと思っていますので、まだまだ勉強しながら実践していく予定です。

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