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2019年07月11日(木)

お知らせ

グレインフリーの食事と犬の拡張型心筋症の関連性について

2019年6月27日、アメリカ食品医薬品局(FDA)が、拡張型心筋症を患った犬が一番食べていた16社のドッグフードを公表しました。

>>原文はこちら(英語)

 

この中には日本で販売されているフードブランドもあり、このニュースを耳にして不安に思われたオーナーもいらっしゃると思います。今回の報道により、ホリスティックケア・カウンセラー養成講座のペットフードの章を執筆している伊東希獣医師と認定協会である日本アニマルウェルネス協会の見解をみなさまにお伝えいたします。

2018年7月、FDAがグレインフリーの食事と犬の拡張型心筋症の関連性について調査を開始したことを発表しました。大型犬とコッカースパニエル特有の遺伝病と考えられていた拡張型心筋症が小型犬種で増えており、その犬たちの多くがグレインフリーの食事を摂っていたことが分かったため、食事と拡張型心筋症の潜在的な関連性について情報収集や分析が行われることになりました。

先日2019年6月27に第3回目の公開報告がありましたが、食事と病気の因果関係はまだ特定されておらず、調査は続けられています。FDAも、今回発表した銘柄のドッグフードを食べると拡張型心筋症になると言っているわけではありません。グレインフリーの食事を変更すべきか?という問いに対しても、FDAは、これまでに収集した情報だけに基づいて食事を変更することは勧めていません。また、拡張型心筋症を患っている犬においても、食事の変更は獣医師に相談してなされるべきだ、と言っています。

現代はインターネットが発展したことで、さまざまな情報が飛び交い、情報が多すぎるがために不必要に不安になったり、誤った選択をしてしまったりするオーナーが増えています。
 ・穀類は犬が消化できない
 ・グレインフリーフードはよくない
 ・生食は危険だ
 ・総合栄養食でないと病気になる
 ・手作り食は栄養バランスが悪い  など

しかし一番良い食事とは、パートナーの体質・体調に合っている食事のことです。そして、パートナーの健康状態を観察し、判断するのはオーナーの責任です。今の食事とパートナーの健康状態を照らし合わせ、体形、便や尿の状態、皮膚や被毛の状態など、様々な視点と角度でパートナーと向き合っていくことが大切です。そして食生活や日常のかかわり方が適切かどうかを客観的にみることも忘れてはいけません。総合栄養食であるペットフードであっても商品の特徴は様々です。

 

例えば、多くのグレインフリーフードは、タンパク質、脂質が多く含まれます。その代わり、給与量が少なめになっていることも注目すべき点です。給与量通りに与え、適切に運動することで、適切に体形を維持することができます。

しかし給与量が少ないことや、パートナーがおやつをねだる姿を、オーナーが不憫に思い、おやつやフードの量を不適切に増やしてしまうと当然、健康状態にも悪影響がでてきます。これはグレインフリーのフードだけにいえることではなく、穀類(糖質)の多いフードやダイエットをうたっているフードであっても同じことが言えます。

今は多種多様なペットフードが店頭でもインターネットでも購入することができますが、そのフードがパートナーの体質に合っているか、そして与え方を含めた食生活と運動や遊びなどの生活面が適切かどうかまで配慮することが大切です。

 

このようにホリスティックな視点で物事を捉えることは講座の序章でもお伝えしているように、パートナーのQOLの向上や自然治癒力の向上にもつながります。また食べ物は本来、健康な身体を作り、豊かな心を育み、より質の高い生活へ導いていくものです。よい食べ物はよい血液、筋肉、骨格をつくります。そして愛情が込められた食事は、パートナーの心の栄養になります。食事を選ばなくてはいけない苦痛ではなく、パートナーのために食事を選択する楽しさを感じるためにも、物事をホリスティック(全体的)な視点で捉えてください。

最後に、今後グレインフリーフードと拡張型心筋症の因果関係についての新しい調査結果が出ましたら、講座からも随時お伝えしていきます。

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