ホリスティック豆知識Blog

2019年12月03日(火)

豆知識

アロマから食事まで。ペットのために植物の力を使い倒す「フィトセラピー」

フィトテラピー講師 加藤志乃さん

みなさん、はじめまして。ホリスティックケア・カウンセラーで日本アニマルフィトセラピー学術協会理事長の加藤志乃です。


私は今、動物とオーナー(飼い主)へのハーブやアロマ、栄養面でのケアを中心に、セミナーやカウンセリングを通してホリスティックケアのアドバイスをさせていただいています。


フィトセラピーを訳すと「植物療法」(Phyto=植物 Therapy=療法)。植物を使って心身のバランスを整えていく手法のことです。


私がホリスティックケア、そしてフィトセラピーの世界に足を踏み入れたきっかけと、フィトセラピーの全体像、そして今すぐ始められるパートナー(愛犬愛猫)へのおすすめフィトセラピーをご紹介します。

 

愛犬で実感した「フィトセラピー」「ホリスティックケア」の効果

私の人生を変えた愛犬

フィトテラピー講師加藤志乃さんの愛犬ナイトくん

ナイト(ラブラドール・レトリーバー・雄)は2001年に我が家へやって来た愛犬です。


親犬に股関節形成不全とアトピーがあることはわかっていましたが、保護施設から愛犬を迎えることを決意していた私は、あえて一番残ってしまいそうな弱い子を選びました。


お散歩に出られるようになってまず、股関節形成不全であることが判明。1歳になり骨格や筋肉が安定し始めたのか少しずつ歩けるようになったものの、次はお腹にポツポツと赤い発疹が。それ以来、原因不明の湿疹に悩まされることになったのです。


その頃、私は製薬会社の臨床開発部で新薬の開発に関わる仕事をしており、西洋医学の世界しか知らない状態でした。当然ナイトの場合も、動物病院で抗生剤やステロイドを処方してもらったり、フードを数種類変えたり、環境中の化学物質をできるだけ排除したりなどの治療と工夫を行っていました。ですが、いずれも効果はごく短期間で、すぐまた元に戻ってしまったのです。


少しずつ薬やサプリが増えていき、またナイトが患部を舐めたりかき壊したりして出血することも多くなり、自分は見ているだけで何もしてあげられないという状態に心が切り裂かれる思いでした。

 

ホリスティックケアとの出会い

次第に「これが一生続くのか、飼い主として他にできることはないのか」と考えるようになっていました。そこで、情報が少ないながらもネットや書籍からアロマテラピーや手作り食でアトピーが改善しているケースがあることを知り、ホリスティックケア・カウンセラー養成講座を受講。ダメ元でホリスティックケアを始めてみることにしたのです。


食事はトッピングから始めて徐々に手作り食を試したり、湿布やローション剤などのアロマセラピーで痒みや精神面をサポートしたり、不足しがちな栄養素の補給、ハーブ、手作り石けんなど、思いつくものを片っ端から試しました。相談できる人がおらず、手探りで必死でした。


そして…ナイトにあったケアがあったのか、想定よりもずっと早く(数か月後)、結果が出始めました。「湿疹が減っている!」そう感じ始めたのです。


また、実はナイトには湿疹以外にも外耳炎や便がゆるいなどの症状がずっと出ていたのですが、ホリスティックケアを始めてから、これらの症状もよくなってきたのです。それまでは、うんちや耳の状態は「うちに来た時からずっとこんなものだ」と何の疑問も持たずに対症療法を行っていましたが、ここで初めてアトピーと関係があったことに気付いたのです。


それからナイトのアトピー症状はみるみる改善。13歳で旅立つまでの後半数年は、予防ケアに徹したことで無症状で過ごせたのです。私にとっては、西洋医学だけだった世界から自然療法の世界への扉が開いた、大きなきっかけとなりました。

 

フィトセラピーの全体像

フィトセラピーに使うハーブとアロマ

今、私は『飼い主とペットのための自然療法士』としてフィトセラピーを中心にケアやアドバイスを提供していますが、それには大きな理由があります。


私たちは、衣食住、生活の全てにおいて植物からたくさんのサポートを受けています。例えば衣服(コットン、麻、染料)、住宅、家具などが代表的です。健康にかかわる分野だけにフォーカスしてみても、医薬品、漢方薬、サプリメント(成分も含む)、薬膳、食事、ケアグッズの有効成分などの分野で、色々な植物が活用されているのです。


ちなみに、医薬品原料の1/4くらいは植物の成分です。また漢方の原料は生薬ですし、生薬の多くが植物です。生姜もよもぎもドクダミもオオバコもオレンジピールも生薬!そんなお役立ち成分をたくさん含む植物ですが、医薬品や漢方薬といった形になってしまうと、飼い主など、獣医師の資格がない人は気軽に扱えません。


一方、誰でも気軽に、健康で幸せな毎日のために利用できる分野がフィトセラピーなんです。


ではフィトセラピーとはどんなことができるのでしょうか?

フィトセラピーは植物を使って心身のバランスを整えていく手法のことです。
私はその中でも特に飼い主が日々の生活の中で取り入れやすいものとして、この4つをおすすめしています。

・ハーブセラピー
・アロマセラピー
・フラワーエッセンス
・食事(栄養素)

一つ一つが広くて深い分野なのですが、簡単にそれぞれの特徴をお伝えしたいと思います。

フィトセラピーに使うハーブやサプリメントの剤型

ハーブセラピー

物に含まれる有効成分を病気の予防や症状の軽減に役立てるケア方法です。食事や水分として摂取したり(内服)、湿布や皮膚に塗布したり(外用)するなどの活用法があります。時にはティーやアルコール、オイルなどで成分を抽出し、目的に合わせた方法で利用します。内服の場合、パートナーが直接口にしてくれない時は食事や水分に混ぜたり、シリンジなどを利用したりします。ハーブセラピーは作用の穏やかな緑のお薬として、また足りない栄養素を補給する天然のサプリメントとしてなど、多様な使い方ができます。

 

アロマセラピー

植物に含まれる、香りの成分を含んだ「精油(エッセンシャルオイル)」や「芳香蒸留水」を使って身体のバランスを調整し、自然治癒力を高めるケア方法です。
精油はほんの少量でも作用が強いため、身体につける場合は必ず適切な濃度に希釈して利用します。特に猫は脂溶性成分を肝臓で分解する際、負担がかかるので、使用には細心の注意を払う必要があります。主に嗅覚を利用した精神面のケアや不快な皮膚症状、骨格筋系のトラブル軽減などで効果を発揮してくれます。

ブラッシングや虫よけ、消臭などのスプレー剤やマッサージジェル、肉球クリームなどのケアグッズなど日々のケアにも利用しやすい分野です。

 

フラワーエッセンス

植物の持つ波動を水に転写して作ったエッセンスを利用するのがフラワーエッセンスです。現代では色々な種類のエッセンスが商品化されていますが、英国の医師であり細菌学者エドワード・バッチ博士が開発したバッチフラワーレメディが礎となっています。バッチフラワーレメディは「病気の治癒や予防のために、魂と心の調和は不可欠」という考えのもと、38種類の感情に対応したエッセンスの中から適合する1~7種類を選択して使います。

ハーブセラピーやアロマセラピーと異なり、エッセンスの中には化学的な有効成分は含まれていません。ですから、動物へは直接舐めさせたり、水に滴下したものを飲用させたり、肉球に塗ったりして使うことができます。

 

食事(栄養素)

医食同源という言葉のように、食事は健康を維持するために欠かせないものです。


最近のペット業界でも、さまざまなナチュラルフードの取り扱いや手作り食・サプリメントなどの情報が増え、選択肢が多種多様になってきました。食事を変えたり、サプリメントを加えたりしただけで、皮毛の状態や健康トラブルが改善されるケースもたくさんあります。犬種ごとや年齢ステージ別に発現しやすい疾患や持病の予防・軽減に役立つ栄養素を、毎日の食事やおやつ、サプリメントで少しずつ継続的に取り入れ、健康維持をサポートする方法なので、飼い主さまとしては最も抵抗なく取り入れやすいかと思います。


例えば私たちにとって身近な食材「生姜」は身体を温めたり、消化や血行を促進してくれることが知られていますが、生姜は生薬でもあり薬膳素材でもあり、ジンジャーというハーブでもあり、その薬効成分の一つが香りの成分(アロマ)だという多様な側面を持っています。
ちなみに私は愛犬に、冬のお散歩後には足ふきと冷えのケアを兼ねて、ショウガ精油を使った足浴をさせていますよ!

 

まずは使いやすい植物を使ってみよう

生姜の例でわかるように、私が「ハーブセラピー」「アロマセラピー」など、どれか1分野ではなく「フィトセラピー」つまり植物療法全体を自分の仕事にしている理由は、「植物のこと全般に詳しくなれば、それぞれの分野を1つずつ攻めていくよりも、幅広く活用できるから」なんです。


まずは使いやすい植物から使ってみる、知ってみること。そうすると、役立つだけではなく、お散歩中に「あれ、あんなところに知っている植物が生えている!ここにも!」とお散歩が楽しくなったり、愛犬たちも心なしか嬉しそうになったりして、楽しみが増えていきます。私は、そうやって広がっていくフィトセラピーの世界を楽しむことで、いつの間にかプロとして活動するに至りました。


でも、「何から始めたらわからない」という方は、万能アロマと言われるラベンダー、または万能ハーブと言われるカモミールから取り入れてみると良いかもしれません。1種類でもたくさんの使い方ができる植物だからです。私が開催する講座「植物1種類に絞った使いこなし術シリーズ」は、初心者様にも実践者様にも人気のワークショップです。

 

初心者におすすめのペット向けフィトセラピーをご紹介

インディアンの万能薬「エキナセア」で冬の免疫力をサポート

エキナセア

最近、花壇や園芸用品店でよく見かけるようになった「エキナセア」属(上記写真)。寒くなり、免疫力低下のサインをキャッチしたらすぐに使いたいハーブです。もしかしたら、育てている方もいらっしゃるかもしれませんね。


メディカルハーブとして利用されるエキナセアの薬用種(学名)は下記の3種です。
Echinasea purpurea
Echinasea angustifolia
Echinasea palida


エキナセアは、北米インディアンたちの万能薬。特に蛇に咬まれた時に重宝されたという、とてもパワフルなキク科のハーブです。名前の由来は中央部の形態、Echinose(ハリネズミ)からきているのだそうですが、なるほど~!可愛いお花ですよね!?サプリメント大国アメリカでは、ハーブサプリメント市場売り上げナンバー1だそうです。


エキナセアは、白血球を刺激して感染を抑えたり、抗体反応を高めたりなど、免疫力を強化してくれる働きを持つことがわかっており、感染症の初期や外傷の直後など、できるだけ早く免疫力を持ち上げたい時に利用したいハーブです。私たち飼い主も、風邪やインフルエンザ、喉の痛み、口内炎など、感染症に対する抵抗力を高め、傷や炎症を鎮めたい時にとても役立ちます。我が家では常備していて、私も愛犬たちもここぞという時にお世話になっています。


パートナーを観察していると、免疫力が下がってきたとき、何らかのサインがあらわれることが多いです。例えば、涙や逆くしゃみが増える、お腹の調子を崩しやすくなる、耳のにおいが強くなる、かゆみなど皮膚症状が出る、体に触れた時ヒヤッとする、顔のむくみなど…


「あれ、ちょっとおかしいかも?」というサインを受け取ったら、エキナセアのハーブティーやドライハーブ、サプリメントなどを食事や水に混ぜたり、シリンジで飲ませたりして使います。また、怪我や皮膚のトラブルには外用でも使うことができます。


ちなみに、私の愛犬ポメラニアンのエンジェルは免疫力が落ちてくるとものもらいができます。
これは、エキナセアを使ってケアした際の、Before & After(2日後)の画像です。

愛犬のものもらいをエキナセアハーブでケア

この時は食事(-内服)とアイ・コンプレス(Eye Compress眼湿布-外用)の両方でエキナセアチンキを使用しました。先日再発しましたが、写らないくらい小さいうちに対応すると、翌朝には跡形もなくなっていました。


こんな風に、早めにサインをキャッチしてタイムリーに対応すれば、パートナーにも飼い主さまにも心身の負担が少なくてすむのがホリスティックケアの醍醐味です。
ただし、ハーブは医療に代わるものではありませんので、過信しないように。必要に応じて動物病院を受診してくださいね。


なお、キク科アレルギーや自己免疫疾患がある場合は使用を控えてください。また、長期の服用は推奨されていないハーブですので、体調を崩した時、崩れそうな時にピンポイントで使うことをおすすめします。まずは市販のハーブティーやペット用サプリメントを、推奨量の半分くらい与えることから試してみてはいかがでしょうか。

 


加藤 志乃(かとう しの)

加藤志乃さん
日本アニマルフィトセラピー学術協会、愛犬救命協会理事長、ホリスティックケア・カウンセラー
飼い主さまとペットのためのフィトセラピーWof!代表

幼少期より多数の動物と暮らす。北里大学卒業後、10年以上製薬会社でMR、臨床開発に従事。愛犬のアトピーや股関節形成不全をきっかけにホリスティックの世界を知り、2007年にホリスティックケア・カウンセラーを取得。アロマやハーブ、東洋医学他、さまざまな角度から行うホリスティックな視点でのアドバイスは日本全国にとどまらずアジア各国でも高評を得ている。


ホリスティックケア・カウンセラー養成講座では、犬と猫の自然治癒力を高める食事・心・身体のケアを幅広く学べます。

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