ホリスティック豆知識Blog

2021年01月15日(金)

スタッフブログ

ブリーダーから学ぶこと

皆さんは、ブリーダーと聞くと、どんな印象をお持ちでしょうか?

ブリーダー崩壊、バックヤードブリーダー、パピーミルというネガティブな言葉をニュースで見ることも多く、さまざまな印象を持たれていると思います。実際に、本当に信じがたいブリーディングをしている人がいるのが現実です。ただ、本当に犬を愛し、犬種を愛し、その犬種を残していくことに、命をかけてブリーディングされているブリーダーさんがいるのも事実です。

今日は、当講座を運営しているカラーズグループが真のブリーダーさんと考える静岡県浜松市にある「クランバーアップケネル」さんについてご紹介します。先日、ホリスティックケア・カウンセラーのグルーミングの章を担当されている渡辺和明先生と訪ね、代表である露木浩さん、見市香織さんに、お話を伺いました。お二人の話から、ブリーダーがどうあるべきかを知ることができ、そして私たち飼い主、飼い主をサポートする立場の業界で働く人たちも学ぶべきことがたくさんあると感じましたので、ぜひお読みください。

 

 

クランバーアップケネル:

1989年静岡県浜松市に、プロハンドラーである露木代表がクランバーアップケネルを立ち上げられました。世界のドッグショーで、数々の賞を受賞し、世界においてクランバーアップケネルの名を確固たるものにされました。現在は、ジャックラッセル・テリア、ボーダー・テリアのブリーディング、ドッグショーにおけるハンドリング活動、ボーディング活動をされています。

 

クランバーアップさんでは、2歳から5歳まで、最大2回のお産しかさせません。また、母犬の状態を細やかに見て交配しておられます。そして、5歳を超えたら、一般家庭に譲られる「フォスターペアレント制度」という、母犬にとっても生まれてくる子犬にとっても、犬舎の運営という視点でも素晴らしい仕組みを、導入されています。

※当講座事務局スタッフもこの制度で、犬を迎えました。

 

浜松駅から車で1時間くらいのところにあり、広い敷地に、犬舎、トリミング室、代表とスタッフの生活スペースなどがあります。そしてその横にいくつかのゾーンに分けられたドッグランがあり、常時50頭くらいの犬がそこで暮らしています。代表のお二人と、若いスタッフお二人の総勢4名ですべてのお世話をされています。

 

写真:年齢や個体を考え、スペースを仕切っている広いドッグラン

 

写真:応接間には、ケネルの歴史がたくさん飾られています。

 

大切にされていること:どれが欠けてもダメ!

代表の見市さんに、大切にされていることを伺いました。

 

・身体を動かす

・よい食事(生肉と骨)

・寝る

・日光に当たる

・土を踏ませる

このどれが欠けてもダメだとおっしゃいます。

 

筋肉や骨など身体が丈夫になり、心の受け皿が広がり、心と体の健康につながると。

そして、人と暮らす犬たち、生まれてすぐの大切な期間に、私たちがどう接するかで、その後大きく変わってくる。

その犬がどう死んでいくかを、考えて育てていきたい、とのこと。

 

ご自身がブリーダーとしてスタートされたときから、世界の文献、世界のブリーダーさんを参考にしながら、ご自身の経験から学び、日本の家庭犬に必要なことを自分で創り出し、今の姿があるそうです。当たり前のようで、当たり前ができていないブリーダーがほとんどという現実。そして、私たち飼い主も忘れてしまっていることもあるのではと思います。

ケネルの全ては、この大切にしていることをベースに考えられています。

 

 

ケネルの1日の流れ

7:00:ケネルの仕事がスタートします。まずは、母犬たちを外に出します。その後、全ての犬たちを1頭ずつ犬舎からドッグランに出します。全頭出し終えたら、犬舎の掃除です。タオルを毎日変え、洗濯をする。ドッグランでは次々におしっこ、うんち。それをすべてチェックし健康状態を見ていきます。その後、犬たちの食事の時間です。

 

9:00:これらすべてが終わり、スタッフの朝ごはんと1日の仕事確認のミーティングです。

 

10:00~17:00:トリミングや様々な業務をこの時間にやっていきます。

 

17:00:犬たちを同じく一頭一頭犬舎に戻し、夜ごはんです。

全てが終わってから、スタッフの夜ごはん。

パピーがいるときは、この流れとは別にパピーと母犬のお世話をします。

 

これが、毎日です。当たり前ですが、365日、休みなしです。

 

 

手間と愛情のお世話

■ 食事:子犬のときは、食べたいだけ食べさせる

離乳食は、グルテンフリーのフードとヤギミルクをペースト状にしたものに、生肉を、1種類ずつ与えていきます。

基本的には食べたいだけ食べさせるそうです。身体を作り、免疫力を高めるためにも必要なことだと。離乳が終わったら、同じくグルテンフリーのフードと生肉、ハーブやサプリメントを、一頭一頭状態を見ながら、毎食調整しながら与えます。一頭、一頭です。たまに、おやつで鶏を丸ごと、ドッグランに投げ与える。みんなで引っ張り合いながら、食べているそうです。

 

犬たちの食事に使っている食材を見せていただきました。お肉の色でその質の良さは伝わりますし、ヤギミルクは粉ではなく、生のものを冷凍で仕入れて、それを与えているそうです。(話を聞きながら、感動しまくりでした)

  

冷凍庫を埋め尽くすお肉

 

ヤギミルク

 

離乳食のペースト

 

 

■ 身体のケアと生活:一生必要なことだから

いつでも、どの子でも抱きしめてもらえるように、全ての犬を、定期的にグルーミングしています。全ての犬たちを見せていただきましたが、本当にみんな清潔で美しい状態でした。

 

爪をきる・シャンプー・ブラッシング、プラッキング・歯磨き・お散歩・クレートトレーニングなどは、一生必要なこと。小さいときから、当たり前にし、「嫌なこと」ではないようにしてあげることが私たちの責任とおっしゃり、全てのケアを定期的に行い、生後75日から夜はクレートで寝るようにし、トレーナーさんに来てもらい、お散歩トレーニングもしておられます。

 

生後75日からクレートで寝ます。夜泣きするのは1日目くらいだそうです。

 

■ 産後はリビングで:

産後の母犬と子犬たちは、キッチンのあるリビングで過ごします。人の声、キッチンでの料理の音、人間の食事の音やにおいなど、さまざまな生活の刺激の中で、赤ちゃんのときに過ごすことで、数か月後の一般家庭での生活に自然に入れるようになるそうです。

そして、何より何がおこるかわからない大切なときにスタッフの目が届きます。この日も、3頭の母犬と過ごしている子犬たちがいました。

 

■ 人の手を尽くす:

犬舎と外のドッグランの出し入れは、なんと1頭一頭、スタッフがリードを付けて行うそうです。50頭、全てを一頭一頭です。これをすることで、リードに慣れ、人に抱かれることに慣れ、そのぬくもりを感じることができるそうです。

 

■ 個体に合わせて:

ドッグランのチーム分けは、生後どれくらいか、一般家庭に出すのか、ショードッグに育てるのかなど、考え分けています。

運動が必要な月齢チームは、登って降りる台などを置き、運動できるゾーンへ。

若い月齢チームは、母屋の近くで目が届きやすい場所で、この時期に必要なことをみんな一緒に経験させます。

ドッグランでの動きにも目を向け、運動しすぎている場合は、犬舎に戻したりするなど、一頭一頭に目を向けてそれぞれに合った配慮をしていきます。

 

 

■ 見えないところにもこだわりが:

50頭分のうんちは、地下の汚物槽に入れ、産業廃棄物として1か月一回適切に処理してもらうそうです。当然、手間もお金もかかります。犬舎がある場所は、山の中ではありますが、環境や地域への配慮、そして事業者としてのあるべき姿として、とても大切なことだと思いました。

表面的に手を尽くしても、見えないところができていなければ、それは伝わると私は思います。犬舎としてのこだわり、理念を垣間見ることができます。

 

■ 犬のための効率化:

大きな乾燥機や、シャンプーマシンなど、効率化できるものは効率化しているそうです。その分、犬のケアの時間を増やしてあげる。それが、スタッフのためでもあり、犬のためでもあるとおっしゃっていました。

このように、さまざまなところに、犬への愛情と信念を感じることができます。

 

■ 取材を終えて思うこと

一言でいうなら、感動です。

いつ行ってもどこを見てもらってもいい。

いつでもどの子でも抱きしめてあげられる状態

こんなブリーダーさんが日本にどれほどあるだろうか?

これが特別でなく、当たり前にするのは無理なのかもしれない。

 

ただ、このブリーダーさんが大切にされていることは、それはそのまま、飼い主がやるべきことで、それをすることが犬の幸せにつながる。

・身体を動かす

・よい食事(生肉と骨)

・寝る

・日光に当たる

・土を踏ませる

つまり、毎日のお散歩と適切な食事、安心できる環境、そして愛情。

 

「世界でナンバーワンのショードックを出しているけど

世界で一番の家庭犬をブリードしているの!」

と見市さんはおっしゃいます。

 

飼い主はみな、自身のパートナーが世界一かわいい。

世界一の愛情と食事とケアで、最期の瞬間まで育てていきたいですね。

写真:右から、露木さん、見市さん、渡辺先生。みなさん素敵な笑顔です^^

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