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「動物と人間の絆」 セミナーレポート

講師
Dr.アレン・ショーン博士
講師
2010年8月8日(日)
講師
東京・田町「女性と仕事の未来館」

「動物と人間の絆」 セミナー

日本伝統獣医学会主催、日本アニマルウェルネス協会、(株)カラーズ HCC養成講座・GREEN DOG協賛のもと、長年にわたりホリスティック医療を実践してきた獣医師Dr.ショーンによるセミナーが開催されました。


ショーン先生は、ホリスティック医療・ケアへの関心が高まることを喜ばしく思う一方で、それに対する間違った解釈やイメージが広がっていることを危惧しており、講義は『ホリスティックな動物のケアとは?』『ホリスティックケアを実践する際のポイントは?』などについて、医療の現場に携わってきた経験を元にお話いただく内容となりました。


"ホリスティック"の本当の意味とは?


セミナーで先生が強調されていたのは、ホリスティック、つまり全体を見るアプローチとは、いわゆる代替医療と西洋医学の両方のいいところを組み合わせることだということ。というのも、どんな療法もそれ単独であらゆる病気を治せたり、問題を解決できるわけではないからです。つまり、あらゆる療法を選択肢に入れ、組み合わせて使うことがホリスティック療法であり、『ホリスティックケア=自然で体にやさしいケア』『ホリスティックケア=西洋医療と対極的なケア』といった認識は必ずしも正しい解釈とはいえない、とのことでした。

このことをふまえて、実生活でホリスティックケアを実践するためのポイントは、

  • まずは健康でいられるために『病気予防』をしっかり行うこと
  • もし病気になったら『正しい診断』を行い、その上で『適切な療法を選択』すること

であると学びました。

まず、病気予防のためには、『しつけ』『栄養』『環境医学』『エクササイズ』『心と身体への取り組み』の5つのケアが重要とのこと。このお話の中で印象に残ったのは、パートナーのことだけを最優先に考えてケアするのではなく、飼い主さんにかかるストレスや経済状況、一緒に住む家族への配慮もふまえて、バランスよくケアを行うべきであるということ。まさに、視点を「ホリスティック」に持つべきだということでした。

ケアを選択する前に、"正しい診断"を


また、病気になったときには、ケアの選択の前に『正しい診断を行うこと』が非常に重要だということを学びました。 正しい診断を行うためには、病院での検査だけでなく、飼い主さんからの情報が欠かせないといいます。 例えば、先生のもとに突然嘔吐・無気力といった症状を訴える猫が来院したことがあったそうです。検査の結果、肝臓の酵素の値が落ちていることは分かったのですが、原因は分かりません。そこで飼い主さんに入念なヒアリングを行ったところ、最近マンション全体に殺虫剤散布が行われたことがわかり、原因を突きとめることが出来たのだそうです。 この例が示すように、症状に対して正しい診断ができるかどうかは、飼い主さんが日頃からどれだけパートナーを観察できているか、またその周辺に注意を払えているかにかかってくるといいます。症状がいつから始まったか、その頃に家庭内で何か変わったことが起こっていないか、パートナーが毒物に触れるような機会はなかったといった情報は、『真の原因』への重要な手がかりになるのです。

これらのほかにも、「動物と人の絆」が動物の癒しに大きな力を持っていることや、ホリスティック獣医療が抱える今後の課題など、講義内容は多岐に渡りました。数時間かけてのお話でしたが、もっと深く知りたい!と感じられる実践的な内容ばかりでした。

ご参加くださった受講生・修了生の皆さま、本当にありがとうございました。また、この場を借りてすばらしい講演をいただいたショーン先生と、この機会を設けるためにご尽力いただいた多くの方々に心から御礼申し上げます。

HCC養成講座では、皆さまのご意見、ご協力を賜り、今後も様々なテーマに基づいたセミナーを開催していく予定です。
次回の開催をお楽しみに!

講師プロフィール

Dr.アレン・M・ショーン博士

アレン・M・ショーン

獣医師。コーネル大学獣医学校卒業。イリノイ大学修士(神経生理学、動物行動学)。名誉博士(ベッカー大学)。コロラド州立大学、タフツ大学獣医学校で教鞭をとる。アメリカ獣医学における鍼灸、代替医療の第一人者。 その傍らでホリスティック医療の普及にも努め、世界中で講演・教育活動を行っている。
2010年、獣医学における鍼灸医療の導入・発展に寄与したとして、 American Academy of Veterinary Acupunctureより特別功労賞を受賞。現在は、馬や小動物に対し、ガン、関節炎、肝臓病などで独自のアプローチを実践中。 著書に「人はなぜ動物に癒されるのか-Kindred Spirits-」(2001年中央公論新社)などがある。

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